日本が”課題先進国”になった真の理由とは何か? BY 大場 龍夫

自然災害と歴史に鍛えられ、多様な社会問題が顕在化する”問題先進国日本”。人類の危機の最先端に立って粘る日本。人類のために日本を目覚めさせたい!

森林の姿が、日本の涙に見える理由とは?

日本の国土の67%を占める森林が、

 

意識されず、忘れられて、放置されている。

 

森林資源は、経済的に魅力がなくなって久しく、

 

森林の管理を持続させることが、難しくなっている。

 

政府は、森林経営管理法( http://www.rinya.maff.go.jp/j/keikaku/keieikanri/sinrinkeieikanriseido.html

 

を提案し、4月から施行されることになった。

 

これは管理されずに放置されてしまった森林を

 

自治体が代わりに管理しようとする制度だ。

 

そのための財源として、国民は一人一律1,000円を納税して財源にする。

 

経済的価値を失い放置され取り残されてしまった森林を救済する制度だ。

 

森林は、酸素を供給し、雨を貯めて川を造る。

 

生命を生み、育てる空間であり、生命圏をつくる重要な要となっている。

 

単に短期的な経済が回らなくなったからといって、

 

放置されてしまっていいのだろうか。

 

単なる素材として、木材がコンクリートや鉄に

 

置き換わったとしても、

 

森林の価値がなくなるわけではない。

 

なぜ、こんなことになってしまったのか?

 

私には、今の森林の姿が、日本の涙に感じるのだ。

 

人工的に大きな力を発揮させるエンジン動力が開発され、

 

産業革命が起こったが、

 

この燃料として石炭から石油が使われるようになっていった。

 

近代化にとって石油は、

 

なくてはならない重要な資源となっていった。

 

日本は、近代化がスタートした西洋からは最も遠い極東の地にも関わらず、

 

単独で近代化を成し遂げた唯一の国だった。

 

西洋がアジアを植民地化しようとした時に、

 

アジアは、アジア自身で近代化をやろうとした日本と衝突した。

 

このことは、かつてのブログで紹介しているので、

 

ご参照いただきたい。

 

wakuwakuengine.hatenablog.com

 

日本は、西洋に負けずにアジアの近代化を成し遂げようとして、

 

台湾、朝鮮を近代化させ、満州国を建設して近代化を進めていった。

 

西洋はこのため、石油を日本に輸出しないようにして、

 

最も厳しい経済封鎖を行った。

 

石油がないので、東南アジアの石油を取りに行くためには、

 

大平洋の米国艦隊を止める必要がある。

 

それが真珠湾攻撃に至った経緯だ。

 

最終的に日本は、

 

全国の街の軍人でもない人々が虐殺され、都市ごと破壊されて、

 

一発で何十万人も死んでしまう原爆を2個落とされて、

 

戦争をやめた。

 

石油を止められた日本は、木を最大限に使うしかない。

 

破壊された街を再生するためには、木を最大限に使うしかない。

 

そのために、日本の木は伐りすぎるぐらいに伐られた。

 

そして、森林を再生するために、今度は一斉に木を植えた。

 

しかも手入れが必要な木を植えた。

 

しかし、木材の資源としての価値は下がる一方なのに、

 

育てる量が膨大にある。

 

いつしか意識から遠ざかり、

 

関係さえも分からなくなっていった。

 

日本が歩んできた歴史の涙が、

 

今の森林の姿になっているのだ。

 

忘れ去られている森林の姿は、

まるで忘れ去られている日本の姿に見える。

 

 

 

今日もお読みいただき、ありがとうございます。